ライブレポート

【ライブレポート】7/15 JAPAN'S NEXT 渋谷JACK 2018 SUMMER

Sugar(@Sugarrrrrrrock)です。
先日7/15、渋谷のライブハウス7ヶ所で行われたサーキットフェス「JAPAN’S NEXT 渋谷JACK 2018 SUMMER」に参加してきました。
ROCK IN JAPANを主催しているロッキンオンの主催イベントである通称”ジャパネク”
文字通りネクストブレイクを期する若手バンドを中心に、これまで定期的に対バンイベントを行ってきましたが、今回は複数のライブハウスで同時開催されるサーキットイベントとして開催されました。
僕はこれまで何度もロックバンドのライブに通いつめていますが、恥ずかしいことにサーキットイベントは今回が初でした(笑)
サーキットならではの良さも大変さも思い知って良い経験となりました。
この記事ではこの1日で観たライブの感想を書きました。
サーキットイベントという都合上、持ち時間丸々観ることが出来たバンドはあまり多くありませんでしたが、是非読んでいってください。

ライブレポート

12:00~ mol-74 (duo MUSIC EXCHANGE)

f:id:ysugarrrrrrr:20180716174511j:plain
セットリスト
M1. 新曲
M2. エイプリル
M3. light
M4. %
M5. ▷(Saisei) 
普段聴いているジャンルを考えたら確実に交わることもないしハマることもないバンドだと思うが、ステージから伝わるオーラが自然と身に入り込んでいった。
代表曲の「エイプリル」で歌われたのは「誰かの幸せを願う程僕は優しくなくて せめて僕だけと思うのはおかしいのかな」という言葉。
冷めた目線というか、そんな目線だからこそ感じる明るさ、ポジティブなメッセージを放っている音楽だと思った。
後は純粋にリズム隊がとてもタイト。こういう音楽は音源とライブに差を見出しにくい気がするが、ライブでの表現力にとても長けていたように見えた。

エイプリル

エイプリル

  • mol-74
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

12:30~ SIX LOUNGE (TSUTAYA O-EAST)

セットリスト
M1. 俺のロックンロール
M2. プラマイゼロ
M3. LULU
M4. トラッシュ
M5. メリールー
M6. 僕を撃て
モルカルでしっとり浸かった後、
「朝からでもロックンロールを鳴らしに来たぞー!!」
と今回のメインステージのトップバッターはSIX LOUNGE。真夏の真っ昼間に暑苦し過ぎるロックンロールショー。優盛くんはこんな真夏でも革ジャンを羽織っていた。
明るい時間の炎天下の元でも輝けたのは紛れもなく、野外フェスではなく昼間でも薄暗いライブハウスだから。
「俺らに太陽は眩しすぎた」と叫んだ「トラッシュ」はこの時間のライブハウスだからこそ輝きを増していた。
SIX LOUNGE 「トラッシュ」

13:30~ 2 (TSUTAYA O-WEST)

セットリスト
M1. ケプラー
M2. BOY AND GIRL
M3. PSYCHOLOGIST
M4. ANTHEM SONG
M5. SAME AGE
M6. DEAD HEAT
M7. Family
M8. ロボット
M9. GO 2 THE NEW WORLD
何てことはない。いつの時代も王道でど真ん中で愛されるエイトビートのギターロック。
けど、ただ利口なギターロックに気づくわけはなく、この2というバンドは王道を鳴らしながらもはみ出し具合剥き出し具合がこれでもかというぐらい伝わってくるライブを見せてくれた。
黒いポロシャツ姿で全身を振り回しながら演奏する古舘佑太郎さんの出で立ちも最高。
30分弱のステージで9曲を畳みかけるテンポ感も含めて、とにかく衝動のままにスカッと駆け抜けていった。

youtu.be

14:30~ Saucy Dog (TSUTAYA O-EAST)

セットリスト
M1. 煙
M2. メトロノウム
M3. 真昼の月
M4. いつか
M5. グッバイ 
「これから間違いなく売れる」と、リアルタイムで最も「ジャパンズネクスト」の視線を欲しいがままにしているのがこのSaucy Dogじゃないかなと思って観たところ、全くもって同じ感情を抱いてしまった。
曲もわかりやすいし、ステージの姿はとにかく華があるし、本人も言ってたように程よいユルさも流れている。広くポピュラーになっていくに違いない。
というぐらいに、客観的な目線でしかまだ語れないぐらいにはこのバンドのことは深く知らないので、もう少し掘り下げないとなと思う。
と同時に、そのきっかけになり得るカッコ良い曲が出来ることに期待です。

煙

  • Saucy Dog
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

15:30~ kobore (渋谷7th FLOOR)

セットリスト
M1. 爆音の鳴る場所で
M2. 夜を抜け出して
M3. 幸せ
M4. ヨルヲムカエニ
M5. ヨルノカタスミ
M6. テレキャスター
M7. 君にとって
普段はロックバンドが集まらなさそうなお洒落なハコで爆音が鳴っていることにサーキットらしさを感じ、
ステージが低いから近くでも思いのほか演奏している姿が見えない。でも髪が乱れているのと汗が飛んでいるのは肉眼でしっかり見えることに小さいライブハウスらしさを感じた。
「こういうイベントは誰に挨拶したら良いのか正直わからなくなるけど、1番は目の前のあなたたちに向けて全力で伝えます!」
と披露された「幸せ」が全身に訴えかけてくる。
この瞬間に音の現場にいることだけが幸せなのではない。現場で掴んだ音と言葉は、鳴り止んだ後の日々をどうやって生きていくのかという課題を与えてくれる。
これこそがライブの醍醐味だと再実感した。

youtu.be

16:00~ Hump Back (duo MUSIC EXCHANGE)

セットリスト
M1. 月まで
M2. 短編小説
M3. 嫌になる
M4. 拝啓、少年よ
M5. ナイトシアター
M6. 星丘公園
超満員のフロアに響き渡った萌々子さんの衝動的な言葉と曲中の掛け声が、モヤモヤを吹き払いながら感情に突き刺さっていった。
「神様を信じている暇があるんやったら、自分を信じている暇があるんやったら、ロックバンドを信じてくれ!ロックバンドを信じてくれ!ロックバンドを信じてくれ!」
「拝啓、少年よ」が始まった時に考えた。
勢い余った言葉には説得力はあったりなかったりするが、決してロックバンドのために自分を捧げろと言っているわけではない。
ロックンロールは自分を信じようとする人のために鳴っていて、そんな人が鳴らしている。
ラストの「星丘公園」で歌っていた「君が君でいられますように」「僕が僕でいられますように」これがロックの不変のテーマだと思った。
少なくとも目の前で音が鳴っている瞬間は、自分は自分よりもロックバンドを全面的に信じている。

youtu.be

17:00~ Cloque. (clubasia)

セットリスト
M1. Tender
M2. Haul
M3. カロン
M4. 新曲
途中で抜けたので以降不明です。
同時期にデビューしてお互いが唯一のレーベルメイトでもあるHump BackとCloque.を続けて観ることが出来たのはとても貴重な経験だった。この2組がレコード屋さんで大きく並んで展開されていたのは、自分にとってメジャーからインディーズに足を踏み入れる大きなきっかけにもなった。
これはとても褒め言葉なんだけど、このバンドの良いところは器用に見えないところだと思う。限りなく真っ直ぐだけど少し飾ってる感じとか、感情的だけどちょっとキザな感じ。なんか少し物足りなくてやり切れないのが逆に心に残る。
そんな人が輝きたいと思って集まったフロアに、同じように輝きたいと思ってステージに立つのがライブハウスだと思う。
きっと必要ない人には必要ない。ロックバンドもライブハウスも観たいと思って自分の意志で選ぶ人たちであり場所であることを、短い時間で実感させてくれた。
Cloque. 「カロン」

17:30~ Shout it Out (TSUTAYA O-WEST)

セットリスト
M1. 17歳
M2. 青年の主張
M3. 夜間飛行
M4. 道を行け
M5. 鳴り止まない
M6. また今夜も眠れない僕らは
M7. 青春のすべて
最近のバンドが歌う青春と言ったらなんか爽快で晴れ晴れしていてポップなものだと思っていたら、ステージの振る舞いも放つ音もパンクそのものだった。
めちゃくちゃカッコ良かった。まさにこれから期待のネクストブレイクと言いたいところなのに、この次はもう数えるぐらいしか残っていないという。
終わってしまってから気づくのではなく終わってしまう前にこうして目に留めることが出来て良かった。
この文章を書いている時にちょうど最後の作品がお店に並んでいるはずだ。
数年前にオーディションを勝ち抜いて鳴り物入りでデビューした時は正直全然知らなかったが、当時を知らない自分でも今が1番輝いていて爆発していると断言出来る。

青春のすべて

青春のすべて

  • Shout It Out
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

18:30~ yonige (TSUTAYA O-EAST)

セットリスト
M1. 最愛の恋人たち
M2. our time city
M3. センチメンタルシスター
M4. バットエンド週末
M5. リボルバー
M6. さよならプリズナー
2年前のJAPAN’S NEXTを発端にそれなりのペースでライブを観てきた同世代代表バンド。
「ウチM気質なんで、サーキットみたいにステージに出てみないとどれぐらい客が集まってるかわからんみたいな感じが好き」
とごっきんは言っていたけど、この短い時間でもうそんなMっ気はもう発揮する必要もないレベルに到達したのではないだろうか。
それだけの実力があるし、度重なる機材トラブルに対してもあっけらかんとした態度で笑い飛ばしていた。
新曲「リボルバー」の歌詞がJAPAN’S NEXTというイベントの醍醐味を言い表している気がして、
あの人がまだ知らない、知るよしもないバンドを聴いて、その人たちの言葉やプライドを感じ取ることで、自分たちの日々は色づいている。
yonige 「バッドエンド週末」

19:00~ LUCCI (TSUTAYA O-Crest)

セットリスト
M1. Q&A
M2. 愛は真心、恋は下心
M3. ボーイフレンド
M4. ミサンガ
M5. FROG
ステージの佇まい、雰囲気はイメージ通りだったが、大人の歌モノバンドだと思っていたのはあくまでイメージでしかなく、目の前でちゃんと歌を聴いたらとてつもなく青臭くて笑ってしまった。
聞こえが悪いかもしれないけど、「ボーイフレンド」とかこんなに「青春こじらせ系」の曲だとは思わず観に行ったからめちゃくちゃギャップを感じてしまった(笑)
でもしっかりエモーショナルにも振り切れるし、カラフルでバランスの取れた良いバンドだと思う。途中で抜けてしまったが、また長いセットでも観てみたい。
LUCCI 「Q&A」

19:30~ 夜の本気ダンス (TSUTAYA O-EAST)

セットリスト
M1. WHERE?
M2. Crazy Dancer
M3. Magical Feelin’
M4. Japanese Style
M5. fuckin’ so tired
M6. B!tch
M7. By My Side
M8. TAKE MY HAND
「最近の夜ダンは特にスゴいぞ」と聞いてはいたけど、本当にスゴかった。ダンスという部分にアイデンティティを見出すことを突き詰めて止まないのだということを、身をもって感じた。
昨今の踊れるロックの勝者は、今のところ本気ダンスを冠している彼らに軍配が上がったということになりそう。
「本気ダンスタイム」と銘打たれた後半戦、ソロパートなどのライブアレンジで曲間を繋いでいって一時も休む暇がなかったのと、誰よりも踊りながら曲を重ねるごとにネクタイとメガネを投げ捨てていく米田さんのステージングも覚醒していた。
また、「SUPER BEAVERのボーカルに”渋谷JACK”される前に、俺たちがJACKしてやる!今度は”鈴鹿JACK”に名前を変えて開催したい!」と叫んでいた鈴鹿さんの口達者ぶりも覚醒していた。
それこそ「鈴鹿サーキット場」でジャパネクが開催されることを期待してます(笑)

TAKE MY HAND

TAKE MY HAND

  • 夜の本気ダンス
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

20:20~ FOMARE (duo MUSIC EXCHANGE)

セットリスト
M1. 君と夜明け
M2. 風
M3. 雨の日も風の日も
M4. 夢から覚めても
M5. stay with me
M6. かわらないもの
M7. Lani
M8. HOME
〜アンコール〜
EN1. 新しい歌
バンドをやっているのが本当に楽しい!!そんな気持ちが全面に溢れていて、むしろ出過ぎているのが今のFOMAREのライブ。
フロントの2人は以前に増してヤンチャに見えるし、チヤホヤされたいように見えるし、ピックめちゃくちゃ投げるし、やり過ぎなぐらい前のめり。正直言ってバンドマンじゃなかったら絶対関わりたくない(笑)
でも、それだけ感情に素直に音を鳴らして歌を歌ってステージを走り回っていると、その素直さがとても羨ましくなるし、こっちも真っ向から応じたくなる。
来月リリースの作品からの曲も素直で衝動的でカッコ良かった。
そして、本編ラストの「HOME」がこの1日の熱狂を象徴する”ライブハウスの歌”として盛大に響いていた。
この日僕にくれた歌を、言葉たちを忘れない。心の声はちゃんと届いている。
FOMARE 「雨の日も風の日も」 

次世代と言われなくなるまで続いて欲しい

特に自分と同世代周りのロックバンドが多く出演していてとても刺激を受けた1日でした。
そして、刺激を受けているだけで情けない思いがまた浮き彫りになってしまった1日でもありました。
音楽体験はその瞬間はとても楽しいものだけど、観た後にどうするか、聴いた後にどうするか。そこに踏み込まなきゃいけないし、そういう人のためのロックバンドであって欲しい。
そんな思いがより強いものになりました。次世代やネクストブレイクと言われなくなるまで一緒に続いていきたいですね。
次世代を狙う人じゃないと伝えられない、既にブレイクして影響力を持っている人たちとは違うメッセージ。
言葉足らずだったり不器用だったり逆にありきたりだったり、自分たちでもまだ全てを伝えきれていないような、そんな未完成な人たちだからこそ、同じく未完成で途上の僕らの感情に直接訴えかけてくるのだと思いました。
最後になりますが、今回観たロックバンドはどれも間違いないし、これからを担う可能性を十分に秘めているメンツだと断言出来るので、是非とも漏れなくチェックして欲しいです。