ライブレポート

【ライブレポート】[ALEXANDROS] “VIP PARTY 2018″@ZOZOマリンスタジアム

Sugar(@Sugarrrrrrrock)です。
8/16にZOZOマリンスタジアムで行われた[ALEXANDROS]“VIP PARTY 2018”に参加して来ました。
このバンドの曲を聴くようになって、4年5年になりますが、このVIP PARTYに参加するのは今回が初めてでした。
そして、なんと言ってもバンド初のスタジアムワンマン。
Zepp、武道館、幕張メッセなどで「屋根吹っ飛ばそうぜ!」と言っていた彼らがついに屋根を吹っ飛ばしました。
というわけで前置きはこの辺にして、今回はライブを観た感想を書きました。
結構長いかとは思いますが、途中まででも最後まででも読んで頂けると嬉しいです!

ライブレポート

いつかのSUMMER SONIC以来に足を踏み入れたマリンスタジアム。
大きい会場ではあるけど、今のバンドにとってはこの規模がちょうどいいんだと思った。
ステージには、古代遺跡の柱を思わせるような [ ] のオブジェと中央、左右、そしてスタンドの脇にモニターが張り巡らされている。
開演時刻から15分〜20分ぐらい押してついにライブがスタート。
ストリングス隊の演奏に導かれるようにサトヤスさん、ヒロさん、まーくんの順にステージに登場。
ストリングスはそのまま1曲目「ワタリドリ」のイントロのフレーズを奏で、満を持して洋平さんがステージ中央に伸びた花道から登場。
VIP PARTYTシャツの袖をカットしたタンクトップ姿、真夏のスタジアムに格好のスターの風貌でステージを縦横無尽に馳け廻る。
曲が終わると同時にスモークの特効がかかり、その煙が上がっている間にメンバーは再びステージから姿を消す。
ステージ中央、左右、スタンド横と張り巡らされたモニターに、これまで幾度とバンドのオープニングを担ってきた「Burger Queen」のリミックスに合わせて過去のVIP PARTYを振り返る映像が流れ、改めて真夏のVIP PARTYが幕を開ける。
メンバーがステージに戻り鳴らされた2曲目は「For Freedom」
モニターには、同曲が収録されている1stアルバム「Where’s My Potato?」のジャケ写が映し出された。
なんだか見覚えがある。今日は15年の武道館の時と同じように、歴代のアルバム順に古い曲から新しい曲へと展開していくセットリストなのではないか。
その予想は正しかった。次に披露された「city」は個人的には「もう来てしまった」という感じ。
City

City

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes
ライブのクライマックスで演奏されるこの曲が観たかったというのが正直なところだったが、ここから何度もクライマックス的なシーンが続いて行った。
曲の最後ではスタジアムじゅうに響き渡る「ここは何処ですか?私は誰ですか?」の大合唱。
曲によく似合う、夜の街、観覧車、高速道路の映像が流れ、曲の最後にモニターに映っていたのは、大都会に立ちつくす恐竜の映像。
他の人とは違う「自らの言葉と身体で生きていけ」という曲のメッセージを感じた。
と同時に、恐竜といえば、同曲が収録されているアルバム。
ビルとビルの隙間から恐竜が通り過ぎるジャケ写が印象的な2ndアルバム「I Wanna Go To Hawaii」ともリンクしていたように思えた。
続く同アルバムの人気曲「Cat 2」ではジャケ写と同じビルの間から子猫が続々と登場する可愛い演出。そしてこの日は「白井が反応しない」バージョン。
ここで洋平さんがアコギに持ち替える。アコギのライブチューンといえば、3rdアルバム「Schwarzenegger」のWaitress, Waitress!」しかない。
矢先にサトヤスさんのドラムとヒロさんの煽りに煽動されてオイコールが巻き起こり、スタジアムの熱はもう一段階上がっていった。
序盤から振り切れたエンジンを落ち着けるかのように、少しテンポを落とした曲が2曲。まずは
「夢を捨て安定を選んだらどうなっていただろう?」という問いかけに対して、
俺は最後に”我が人生に悔いはない”と言える人生を選ぶ」という決意を歌った
「spy」がストリングスと共に爽やかな音色がマリンスタジアムの浜風と共に届けられた。
続いては4thアルバム「Me No Do Karate」のゾーンで披露された「Forever Young」
この2曲はこの規模だからこそ真価を発揮していたように思う。
spy

spy

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes
Forever Young

Forever Young

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes
デビュー前、洋平さんが大学を卒業する前に書いた「spy」と路上ライブ時代から歌い続けてきた「Forever Young」
きっとステージが大きくなっていく度に歌われ続けるのだろう。そして規模が大きくなるほどにより強く、たくましく鳴らされるのだろう。
そして、結成した当初からスタジアムで通用する曲を作っていたんだなと、改めて認識させられた。
“俺たちが世界一である”ことを証明するために活動するというバンドスタンスは、始めから揺るぎなかったんだと。
「Forever Young」のアウトロで響いた「Light up all the stars yeah」のシンガロングが、また次の曲への布石になる。
洋平さんが白のジャズマスターに持ち替えてイントロを鳴らす。自分にとってこのバンドとの出会いの曲Starrrrrrr」
出会いの曲でもあり、CDデビューしてからのバンドの状況を一気に加速させたキラーアンセムでもあると思う。
これ以外の言葉が思い浮かばない。この曲を演奏するステージの姿はまさにロックスターそのもの。

もしかしてと見上げた空には、灰色の雲。でも夜空の星なんて必要ない。

スターは「どこまでも私は私」であることを高らかに鳴らし、目の前で燦然と煌めいていた。
Starrrrrrr

Starrrrrrr

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes
みたびメンバーがステージからいなくなると、モニターには王様が赤い椅子に向かって歩いていく映像が映し出される。
そして椅子に腰かけたと同時に、王様は手に持っていたシャンパングラスを握りつぶす。
これが何を意味するか。もちろん、2014年のバンド改名だ。
モニターには、自分が初めて武道館で観たライブ、そして自分にとって[Champagne]の最初で最後のライブの映像が映される。
そして武道館ライブのアンコール、大王へと生まれ変わったロックバンドのお披露目。
映像の中の洋平さんが「初めまして![Alexandros]です!今後お見知り置きを!!」と叫ぶ。
そして映像のドラムカウントに合わせてスタジアムのライブも演奏が再開。
[Alexandros]として1番最初に鳴らされた曲Droshky!」が、王様が馬をムチで叩きながら疾走していくような、圧倒的な馬力で再び会場をグイグイ引っ張っていく。
Droshky!

Droshky!

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
ここからは改名後初にしてセルフタイトルの5thアルバム「ALXD」のゾーン。
同アルバムの1曲目「ワタリドリ」のイントロのフレーズをまーくんが、2曲目「Boo!」のフレーズを洋平さんが交互に弾き合うパフォーマンスに歓声が上がる。このまま同曲を披露するのかと思いきや、蓋を開けたらRun Away」
こういった遊び心の演出も悠々とやってのける。
不気味なサイレンのような音が鳴り響いた「Girl A」が更にフロアを縦に揺らすと、現時点での最新アルバム「EXIST!」のゾーン。
同作のライオンのジャケットと、満月が映し出されたモニターをバックに披露されたのは「ムーンソング」
前日、10年振りの復活ライブでELLEGARDENが「月」を演奏していた時には実際に夜空の月が見えたそうたが、この日は相変わらず雲に覆われて、なんなら雨がぽつぽつと降り出した。しかし
「通り過ぎ去って叢雲に隠れていく」
「大粒の雨が記憶を巡って後は閉じ去り」
曲名に反して月は見えていないにも関わらず、歌詞通りのシチュエーションが広がっている。
そして最後「自ら月に成り上がろう」と歌って曲が終わる。
星も見えなければ月も見えなかったが、それに頼らず、自らが周囲を照らす存在になろうという。本当に良く出来たシチュエーションだった。
ムーンソング

ムーンソング

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
ここで前半戦が終了し、バンドセットがステージ中央の花道に移動する。
開演も押したし、映像の演出もまた凄くて、それゆえに曲数はあまりやらないのかと思っていたら、
この日のために募った50,000を超える楽曲リクエストからトップ10をカウントダウン方式でメドレーで披露するコーナーへ。まさかそんな手があったとは。
リクエストメドレー、どんなレア曲が聴けるのかドキドキしていた中でまず披露されたのがOblivion 」
シングル曲であるが、どちらかというと隠れた名曲的一面の強い曲が早速披露されて、ただただ歓喜。
どっしり構えたバンドサウンドに
「誰の為でも無くて他でも無い自分自身の為にあるこの命をいかにして」
というサビの歌詞が力強く響いた。
続くメドレー2曲目は4thアルバムから「This is Teenage」
武道館を含めてこの曲が収録された4thアルバムのツアーは2度行ったが、そのどちらでも披露されなかった曲。まさに待望!!
次も同アルバムから「Wanna Get Outが披露された。
ランキングが進み、5thアルバムの「Famous Day」
シングルカットもされたKill Me If You Can」
と、表向きなイメージのある曲もリクエストの上位にランクインしているのがこうして結果として見えると、投票をしたファンの層もさぞ幅広いんだろうなということを感じた。
そして「Kill Me〜」から流れるように同曲のカップリング「Waterdrop」
限定シングルのカップリング曲というまさにレア曲。そして曲名の通りスタジアムには依然雨が降っている。
洋平さんが「雨に似合う曲をやって良いですか?」
とまたまた雨が似合う「Thunder」へとメドレーは続いていく。
「Thunder」「Waterdrop」は15年のVIP PARTYの時に12位を獲得した曲でもある。
もはやこの日の雨はこの2曲が呼んだといっても過言ではない。
リクエストメドレーは4thアルバムからスタジアムが似合うミディアムテンポのナンバー「Travel」で締めくくられた。
拍手がいまいち盛り上がりきらなかったのは、トップ10なのに、8曲しかやってないから。
その理由は、第1位はフルで披露するから、そして第3位が既に披露した「Starrrrrrr」だったから。
「さっきやったからやらなくて良いなと思って」
という洋平さんに対して「えー!」の声が上がり、結局「Starrrrrrr」も落ちサビのシンガロングパートのみ再度披露。
ラストのサビに入ったところで演奏を止めても、合唱が鳴り止まない。
「演奏止めたら”えーっ”ってなると思ったのにそのまま続いたからスゴイね」
とヒロさんも感激していた。
気を取り直して、本人曰く”まさか”の1位の曲としてフルで披露されたのは5thアルバムから「Leaving Grapefruits」自分にとってもまさかの1位(笑)
洋平さんも言っていたように、失恋ソングはやっぱり人気を集めるのかと思ったとともに、ピアノがメインのこの曲は以降のバンドの楽曲の自由度に拍車をかけるきっかけになったのではないかとも感じた。
Leaving Grapefruits

Leaving Grapefruits

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
リクエストコーナーも終わり、ライブは終盤戦。
「これからの[ALEXANDROS]をお見せしたいと思います!」
という意気込みと共に、11月リリースのニューアルバムの曲を続けて披露していった。
まずは未発表の新曲「LAST MINUTE」
昨年末のツアーからライブでは披露されていたそうだが自分はこれが初めて。
打ち込みでミドルテンポで心地よく揺れるような感じ。そして日本語で切ない情景が浮かぶ歌詞。幅広く心を掴みそうな新曲だった。
そして既発シングル「明日、また
年末のCOUNTDOWN JAPANの年越しアクトを観た自分にとって、2018年の始まりの曲でもある。
「So I gave up and chose to stick with me To overcome that “someone” (自分自身の人生に留まりながら、「誰か」を越えることにする)」
という歌詞からなだれ込む「We’re the light」のシンガロングは、年越しの時以上のパワーを持ってスタジアム上に響き渡っていた。
明日、また

明日、また

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
「ベストベーシスト改め、ベストパーカッショニスト磯部寛之!!」
という洋平さんの紹介を受け、ヒロさんリズミカルなパーカッションを叩くと、その流れでI Don’t Believe In You」へ。
「明日、また」のカップリング曲だが、この曲もアルバムに収録されておかしくなさそうだ。
ラップ超の歌詞にテクニカルなサウンドからのサビでギターロックが真ん中を貫いていく。技巧と王道が入り混じった痛快なナンバー。
そして本編最後の曲は、目下最新シングル曲の「Mosquito Bite」
昨年末からライブやフェスの現場で育ててきた渾身の1曲には、MCで言っていた通り”これが今の俺たちだ”と言わんばかりの気迫が溢れていた。
Mosquito Bite

Mosquito Bite

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
ラストのシンガロングの光景と、アウトロで思うがままに楽器をかき鳴らす4人を見て、自分以外の3万を超えるオーディエンスにも今の[ALEXANDROS]の姿としてすっかり溶け込んでただろうという手応えを感じて、VIP PARTYの本編は幕を閉じた。
演奏が終わった時に洋平さんとまーくんが拳を合わせていたのがとてもカッコ良かった。
そしてアンコール。大会場ではもはやお馴染みとなった、スマホライトで客席が照らされる中メンバーがステージに戻ると、
「このまま曲やって良いですか?」
と、ステージの照明を落とし、オーディエンスの光に照らされて披露されたのは、フル尺では初となるハナウタ」
あの景色を見ながら
「ひかりの中に恋をしてる」
と歌った彼らの心境は如何なものだっただろうか。
一体感に包まれるスタジアム。ただこの後に歌われるのは
「孤独はきっと、そういうもの」

という歌詞。洋平さんが書いた歌詞では無いけど、実に[ALEXANDROS]らしい。

自分もライブの場でもなければ一体感と簡単に称される場にはあまり溶け込みたくないし、暗がりの孤独で戦う人こそ、本当に光を欲している。
ライブに集まる人たちはそういう人であって欲しいし、自分もそんな人でありたいと思った。
そして、夏の野外、夜があまりにも似合う「Adventure」
雨も上がった会場に、
「晴れ渡る8月の亜麻色に染まったZOZOマリン!!」
とこの日この場所用の歌詞が響く。
アップでカメラに向かって歌った後、シンガロングパートで会場の景色を映すようにカメラ誘導する洋平さんのステージング。
最初から最後までこのスタジアムを掌握していた。
そして、この日最後の曲は
「ZOZOマリンスタジアム吹っ飛ばすぞ!!」
と全てを吹き飛ばすKick&Spin」
「酸いも甘いも飲み込んで生きていけーー!!!!」
と叫んだ洋平さんの姿に自身を投影させて、またライブで会う日までの日々を生きていこうと思った。
野外ということで、終演後に花火が上がる予定だったが、悪天候と強風のためそれは叶わず。
代わりに会場の端から端までウェーブ×5で、今年のVIP PARTY、そしてバンド初のスタジアムワンマンは幕を閉じた。
メンバーがステージを後にすると、モニターには次のアルバムのレコ発で来年アリーナツアーを行うことを発表。
特別出演の[山田孝之]さんが「“括弧”閉じちゃってる感じがな〜」とか言ってる時点で、
あぁ、ライブハウスツアーの次はアリーナツアーだなと思った(笑)
ただ、[ALEXANDROS]クラスの市民権を獲得しているバンドでも、アリーナツアーと銘打ってツアーを回るのはこれが初めて。
ライブ中はもっとデカいところでやりたくなると野望を口にしながらも、決して余計な背伸びはせず、着実に進んできた。
そして行うライブでは初めからその会場の規模に相応しい存在としてステージに立ってきた。
ツアーは初めてとはいえ、アリーナ規模のライブはもう慣れっこだと思う。着実にとはいえ、当たり前のようにこなしていってしまうのだろう。

ライブを終えて

いかがだったでしょうか。かなりボリューミーな記事になったので手短にまとめます。
言うまでもなく最高のライブでした。そして、[ALEXANDROS]の音楽は、時を重ねるごとに進化している。それでいて常に一貫して歌っていることがあります。
一言で言うと、このバンドの音楽って「自分探し」だと思うんですよね。あんまり響きがよろしく無いかもしれないですけど。
自分と向き合って、自分の人生で昨日の自分と戦って打ち勝ってきた。それを積み重ねて続けてきた結果、ステージでは圧倒的な煌きを放つロックスターとして君臨してるんですよね。
僕はこれからも己と向き合うために彼らの音楽を必要としていきます。次のアルバムも今から待ち遠しい。
そしてもちろんツアーも、ライブハウスで観れたら嬉しいですけど、どこかで必ず目撃します。