SUGAROCK-FESTIVAL

邦楽ロックをとことん楽しむためのきっかけに。フェスのようなブログを目指してます!

[CDレビュー] リーガルリリー 「the Radio」

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どうも、邦ロックブロガーのSugar(@Sugarrrrrrrock)です。

今週2枚目の新譜レビュー、レビューなんてカッコつけてますが、評論家面なんて勿論出来ないし、自分の中から湧き出た感情をなるべく上手く言葉にしたいと思ってやっています。

 

今回紹介するのは各所で話題沸騰中の3ピースガールズバンド、リーガルリリーの2ndミニアルバム「the Radio」です!

 

初の全国流通盤となった前作の収録曲「リッケンバッカー」で衝撃を受けた方、

アジカンの「ムスタング」のカバーで名前を知った方も多いかと思います。

かくいう僕もその一人で今作に寄せる期待を膨らませていました。

 

ガールズバンドらしい可愛らしさ、ポップな一面もありつつ、

今年20歳になるとは到底思えないテクニカルな曲展開に耳をくすぐるボーカルたかはしほのかさんの巧みな言葉選び、

そして僕含めて多くのリスナーを虜にした鋭い刃のようなキラーフレーズ。

 

見事に期待に応えてリーガルリリーの世界観にさらに引き込まれた1枚となりました。

ということで感想を綴っていきたいと思います。

 

感想とレビュー

 「ラジオ」を題材とした曲は総じて好きになります。

それはラジオに一時代前のメディアというイメージがあって哀愁のようなものを感じたり、

電波をキャッチするために必死にアンテナを伸ばしているイメージを感じたり、

あとはラジオは映像ではなく音を頼りにするものなのでやはり音楽との親和性があるからですかね。

 

この作品からも1枚通してこういった空気感が流れています。

 

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今作のリードトラック「トランジスタラジオ」

 

サビの「明日をみうしなわないでいるよ」 という歌詞をはじめ、 

ノイズにまみれた今の東京でアンテナを張ってひたむきに戦っているのが伝わってきます。

 

一方で、「日々よ、ぼくよ、とまれ」というフレーズからは未来に対する不安も抱えているのが感じられます。

大人になりたくない、今のままがいいと思う時期ですからね。そんな彼女たちの現状は今作でも存分に詰め込まれています。

 

 

その若々しさが更に弾けたのが2曲目の「はしるこども」

「トランジスタラジオ」に続いて「ラジオ」が歌詞に出てきます。

youtu.be

歌と演奏が呼応するように勢いと必死さが伝わってきてとても良い曲です。

各楽器がそれぞれ主張する3ピースならではの疾走感。

後半「ジャーン」のキメの後のドラムカウントもシンプルだけどグッときますね。

 

たかはしさん曰くこの曲は大人になっていく実感を特に感じながら作ったそうで、

大人になることに抗ってる感じもするし、必死になって明日を見据える感じもする。

 

 

彼女が大きく影響されたニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」を最初の2曲でまさに体現しています。

 

 

3曲目は夜の東京の街を舞台にした「the tokyo tower」

とてもキラキラした雰囲気のある曲ですが、

今度は東京タワーがラジオと同じようにひと昔前の象徴として描かれています。

 

長年に渡って街の発展を見守ってきたシンボルを題材に、街も人も大きく変わっていった結果として歌われているのが

 

耳鳴りが止まらないや

 

というフレーズ。ノイズの多い街になってしまったんですね。とても深い。

 

他にも

積み上げる 罪の数

優しさに触れようとした、こどもたちのつみきあそび

と東京タワーにかかったワードチョイスも流石の一言に尽きますね。

 

 

そして今回1番の問題作(良い意味で)なのが4曲目の「高速道路」

「the tokyo tower」で耳鳴りが止まらないと歌ったことに対して、

 

耳慣れしていたまちの声、なれていくばかりで気づけない 

 

と、ノイズにまみれた街にも慣れてしまっている状況のやるせなさを冒頭の歌い出しで訴えかけています。

このフレーズはCDの帯にも書かれていました。

 

そしてその後に放たれる今作1番のキラーフレーズ。

 

発展都市は何10億年も輝き続けた者たちを一瞬にして 殺しました

 

機械に取って代わられたからか、

楽をするようになったからか、

感情を押し殺すようになったからか、

 

随分殺されていると思います。

 

実に生々しい。ゾッとしましたし胸元えぐられた感じです。こう言われてから気づくものなんだと思います。

 

このようなことを歌えてしまうのも若さゆえですよね。

でもこれからの時代を生きるロックバンドにこそ発するべきメッセージだと感じました。

もちろん今作1番のハイライトです。

 

 

ここから後半2曲は再びポップさを取り戻していきます。

 

5曲目の「こんにちは。」はおそらくライブハウスが舞台となっているであろう曲。

全体的にKANA-BOONの「眠れぬ森の君のため」の世界観に近いですが、

それとは逆で主人公がフロアからステージを見ている視点で描かれています。

 

そして最後の「教室のしかく」は青さと甘酸っぱさを感じさせるバラードソング。

人との別れを歌っているし、未来に対する不安で震えている等身大な姿が目に浮かびますね。

 

1枚通してそのイメージがずっとついて回る作品です。

ただこれだけ赤裸々に、そしてちょっと強すぎるんじゃないかという言葉を投げつけられるということは、決して物怖じしてないということでもあります。

この姿勢こそ10代の少女たちをロックバンドたらしめる素晴らしい才能だということを感じた作品でした。

 

大人になることに対する生々しい心の叫び

 

前作は高校時代の結成当初からの曲もあったのに対して、

今作の6曲は全て前作リリース後の半年ほどで作られたそうです。

 

それだけにこれから大人になっていく彼女たちの現在の状況と心情が色濃く現れています。

 

これまで何度も言っている通り、リーガルリリーは見た目とは裏腹にとてつもなく生々しい言葉でリスナーを切りつける諸刃の剣のような曲でメッセージをぶつけてきます。

 

MUSICAの中で称された「優しい怪物」という例えが本当にしっくりきますね。

繊細で、ちょっとでも扱いを間違えたらジェンガみたいに崩れてしまうような、絶妙なバランスで成り立っているように思います。

 

 

とにかく次のリリースも期待してますし、早くライブでお目にかかりたいですね。

彼女たちの奥深さは今後増していく一方、是非とも早いうちにチェックしてみてください!