ライブレポート

04 Limited Sazabys “SOIL tour”を熊本B.9 V-1で観た

Sugar(@Sugarrrrrrrock)です。

 

12月16日、04 Limtied SazabysのSOIL tourを目撃しに熊本県のDRUM B.9 V1まで行ってきました。

 

この記事では対バンのtetoも含めたライブの模様を文章にしてお送りしていきます。

 

teto 〜今日ぐらいはキラキラした日に〜

1曲目、熊本の街に「高層ビルと人工衛星」を届けると、ボーカルの貞利さんは早速マイクコードを首にぐるぐる巻いて、マイクスタンドを背負いながらステージを駆け回る。

 

毎回毎回衝動的でアグレッシブで、前日も凄いライブをやり切ったばかりだけど、ツアーファイナルという特別なエネルギーをtetoのメンバーも浴びながら躍動していた。

 

「今日ツアーファイナルらしいですね!まぁフォーリミさんのことだから毎回良いライブしてるんでしょうなぁ。でもファイナルってことは、今日が1番良いライブになるんじゃないですか?良い夜にしましょう!」

と意気込みを語ると、

「普段ずっと俺1人で喋ってるんだけど、なんかドラムが喋りたいらしくて!いつもいつも喋らないし楽屋でも喋らないのに(笑)」

とドラムの福田裕介さんにバトンタッチ。

 

どうしても話したい理由は、バンド内で1番のフォーリミファンだから。

 

「”SOIL”発売おめでとうございます!僕、普通にフォーリミのファンで、CAVUツアーとか普通に観に行ってて、まさかこうやって一緒にやれるとは思ってなかったです!」

「昨日は対バンとして見ちゃってたんですけど、今日はみんなと一緒に楽しみたいと思って、ライブ終わったらそっち行きます!一緒にモッシュしましょう!パオパオパンパンパンしましょう!まぁ何が言いたいかって言うと、フォーリミは僕にとってのマイヒーローです!」

お客さんとしてフォーリミを観てきた世代が、こうして同じステージで1つの夢を叶えて、ステージ上からファンの気持ちを一手に背負った想いを伝える姿にもの凄く感動した。

 

再び貞利さんにターンが戻り

「昨日ステージ袖でフォーリミさん観てて、お客さんも凄くキラキラしてて、”次○○やって!”みたいなの良いなぁと思って、昔初めてライブハウスに行った時を思い出して。こんな綺麗なライブハウスじゃなくて、もっとタバコ臭くて狭いライブハウスで俺の数少ない高校の友達のライブを観て、曲も演奏も上手いとは思わなかったけど、何か凄いキラキラしてたのに凄い感動したんですよ」

「いつもキラキラしてなくて良いけど、たまにはこういう日があっても良いよなぁと思って、この曲を熊本の皆さんとフォーリミの皆さんに歌います」

と披露した曲は「光るまち」

 

この曲で歌っているのは「高層ビルと人工衛星」のような、哀れでちっぽけな自分を見下ろすようなものではなく、ちっぽけな自分でもバンドに輝く何かを感じ始めた原体験の景色。

都会のネオンでも人工的な光でもなくて、薄暗い場所から突き刺すような音の光に魅せられて、熊本の街にも多くの音楽好きが集まっている。

 

「またキラキラした1日にしたいから!そのために生き延びましょう!」

という想いを最後の「拝啓」に込めて、言葉でも音でも姿振る舞いでも、ありったけの心の叫びを表現し切った。

 

フォーリミが教えてくれた中でも、tetoは一緒にこれからを戦って行きたいロックバンドの筆頭になった。これからも色んな現場で目撃したい。

 

そして、ドラムのMCがこのツアーの最後にドラマとなって結実する。

 

セットリスト

M1. 高層ビルと人工衛星

M2. トリーバーチの靴

M3. Pain Pain Pain

M4. 光るまち

M5. 拝啓


teto 「光るまち」

04 Limited Sazabys 〜全国の皆さんから貰ったパワーでワンマンツアーへ〜

「きっと間違えられないな 対バンツアーファイナルの熊本のステージ!」

アルバムの中核をなす「Milestone」から始まり、この曲の物語の前身にあたる「monolith」を続けて叩き込むリレーに、ツアーファイナルにかける気迫が最初からみるみる伝わってくる。

 

「ツアーファイナルでございます。tetoがヤバいライブやってて、対バンツアーのラスボスに相応しいライブだったんじゃないかなと思っています!」

「こんがらがってマイクスタンドと一緒に移動してるの最高だったよね?ああいう生のライブ感を沢山キャッチして持って帰って下さい!」

このツアーは若いバンドが多くゲストで出演して、フォーリミの力で次の世代を引っ張り上げることも1つの目的だったようにも感じた。

が、2ヶ所に渡ってヤバいライブを見せてくれたtetoに関してはまさにラスボス。同じ土俵から真っ向勝負をしないと勝てないという闘争心に火をつけたはず。

 

「今まではヒーローになるまでの04 Limited Sazabysだったけど、今はヒーローになってからの04 Limited Sazabysを感じてください!」

この10年でたどり着いたバンドを例える言葉として最も相応しい「My HERO」を届けると、続けて

「2018年12月16日、熊本B.9 V1、何処でもない今ここ!」

という曲フリに歓声が上がった「Now here, No where」

 

自身をヒーローと認めるまでに成長したバンドにも、まだまだ膨らんだ世界、無数の未来が待っているはず。

 

過去作の「drops」「me?」のAメロからも「SOIL」で色濃く出ていたポップパンクの要素が改めて感じ取れて、様々な根っこ(=ルーツ)から伸びた土壌で今の04 Limited Sazabysらしさが確立されているんだなぁと認識させられるツアーになった。

 

「23本あっという間でしたね。入り口にあったデカいポスターは初日の千葉LOOKでもらって、ステージにいるダルマは2本目の高崎でゲットして、対バンのステッカーとか貼ったりして、最終的にはちゃんと目に入れようと思ってます。ダルマはもうメンバーみたいな感じで、コウヘイは準レギュラーなんですけど(笑)」

 

全国のライブハウスを対バンで細かく回ったツアー。

GENさんのMCからは、各地でライブして終わりではなく、ライブハウスからのエネルギーを次のライブに持ち込んで連れて回ったツアーだったことが伝わってきた。

 

「ライブハウスのエネルギーで”生きてる!”って実感をして欲しい。テンション上がった瞬間に日常のマイナスが破壊されるシステムになってるので、積極的に参加して下さい!次の曲はこのツアーで初めてですね!04 Limited Sazabys史上1番速い曲やります!」

と、このツアー初披露のショートチューン「capture」からツアーファイナルは後半戦。

“ジャッ ジャッ ジャッ ジャッ”とキメ4連発から雪崩れ込むようにこのツアー皆勤賞の「fiction」へ。

この2曲の繋ぎは前回のツアーの中でもテンションが上がったワンシーンであり、今回のツアーの最後に持ち込んでくれてとても高まった。

 

続けてラウドな音像でオーディエンスの重心から揺り動かす「Alien」

そして重量感と爆速ビートが共存した個人的「SOIL」の推し曲「Utopia」

GENさんが鋭い眼光で「どうだい?」と突きつけてくる姿と、サビの最後に「確かに聴こえた」と歌いながら拳を突き上げる姿は、どの会場でも胸に焼きつくツアーのハイライトだった。

 

「バンド10周年で僕たちも30歳になりました。20代はひたすら駆け上がって来たから、30代は今あるものを大切にしながらも新しい扉を開けたいと思ってます」

 

持っている武器を磨いて、ここまで続けたからこそ新しい扉の鍵を見つけた現在地を歌った「Password」と、新たな扉への道筋を明るく照らす「Shine」を経てツアーファイナルは終盤戦へ。

 

「俺たち平成と同い年で一緒に歳を取って、いかに自分のメンタルを保つかだなと感じて、楽しくないことも楽しめるようなコツを覚えたので、楽しくないとき苦しいときは俺たちの音楽を逃げ場として使って欲しいです」

「”SOIL”はバンドの10周年を象徴する作品で、俺たちはどういう所から来て一体何者なのかっていうのを示した作品になりました。次どんな作品を作るかは決めてないけど、どんどん自分たちが面白いこと好きなことを楽しみながらやりたいなと思ってます」

この1〜2年で足場を固めて自らを振り返って強固な土壌を築いたことは、新しい1年、新しい時代、次の10年に必ず役に立つはず。

 

「どれだけクソみたいに思うことがあったとしても、ライブハウスにいる時はそんなこと何も無いみたいな顔してくれるとこっちも凄くやってる甲斐があります。今年の汚れ、悩みや鬱憤は全てこの曲で洗い流します!自分自身に生まれ変われ!!」

アルバムの最後を締めくくり、このツアーでも終盤の大事な局面を担い続けた「Squall」は、降り注ぐ度に04 Limited Sazabys自身を力強くさせてくれるような、より一層バンドに欠かせないマスターピースに成長したと思う。

 

「最高のツアーになりました!一緒に作ってくれた全国の皆さん、関係者各位もありがとうございました!ラストは光る未来からのメッセージ!!」

と、最後は10年前の04 Limited Sazabys自身に、そして全国の04 Limited Sazabysリスナーに送る「message」

 

「I’ll promise I’ll be back!! また帰って来ます!」と再会のメッセージを残して本編は締めくくられた。

 

アンコールではGENさんが

「これからはワンマンツアーになります。皆さんから貰ったパワーでワンマンツアーを戦い抜きたいと思います!」

と来年の意気込みを語ると、前日同様お客さんから演奏して欲しい曲を募り、あちこちから様々な曲の名前が叫ばれる。

 

「アンコールは決めてあります!このツアーでやるのは初めてです。2年前に俺たちが名古屋を離れる時に作った大切な曲を聴いて下さい!」

と前作「eureka」から「Feel」を披露。

2年前の上京と、当時目先に立ちそびえていた日本武道館に向けて歌われた曲は、それらの壁を乗り越えた今、次の10年を突き進む姿勢と共に鳴り響いた。まだまだフォーリミの夢は続く。

 

「ラスト1曲はtetoのドラムのリクエストです!本気で行ける?ムチャクチャやろうぜ!!」

SOILツアー対バン編の最後の1曲に選ばれたのは、3年目のYON FES、アリーナを回った10周年ライブ、そしてAIR JAMと、この1年の節目節目で何度もドラマを生み出した「Buster call」だった。

 

バンドの最初期から歌い継がれてきた曲は、福田さんがMCでツアーを観に行ったと話していた「CAVU」のラストナンバーでもある。

 

この1年の思い出の1曲にまた新しいドラマが生まれる最高の展開でツアーはフィナーレを迎えた。

 

これで完結、はち切れるぐらいにお腹いっぱいで大満足なのだけど、年を跨いでワンマンシリーズで再び全国を回る。

またお腹を空かせてワンマンツアーに臨めるように、2018年の残りの時間は一時も無駄にすることなく戦い抜きたい。

 

セットリスト

M1. Milestone

M2. monolith

M3. Brain sugar

M4. Kitchen

M5. My HERO

M6. Now here, No where

M7. drops

M8. me?

M9. Galapagos

M10. capture

M11. fiction

M12. Alien

M13. Utopia

M14. Password

M15. Shine

M16. Squall

M17. message

〜アンコール〜

EN1. Feel

EN2. Buster call

 

 

SOILツアー全公演のセットリストもまとめました!